パリ五輪サッカー日本代表「準々決勝スペイン戦」3つの敗因と未来への希望(2)「隠せない」総合力の差、「求められる」山本理仁のパス速度、高井幸大のヘディング精度の画像
チームの快進撃を支えた小久保玲央ブライアンも、スペイン戦では3失点。撮影/渡辺航滋(Sony α‐1)

 後半、日本は懸命に攻め、荒木遼太郎の右CKから高井幸大が放ったヘディングシュートがバーを叩く場面もあったが、スペインは前半に先制点を決めたフェルミン・ロペスが左CKを受けて強烈な2点目を叩き込み、終盤にはやはりCKからアベル・ルイスが押し込んで3-0とし、勝利を確定した。

■こんなところで「強いパス」を出すのか

 日本は最後まで走り、懸命に攻め、攻守両面で見事な試合を見せた。サッカーというゲームでは、力の差があってもどんな結果も起こりうる。しかし、決定力だけでなく、「総合的にスペインが上」という事実は隠しようがなかった。
 技術面では、パススピードとヘディングの2点を挙げたい。
 パススピードが足りないため、せっかくの見事な展開が生きず、相手に対応されてしまうシーンがいくつもあった。決定的なスルーパスと思ったものがカットされるシーンも何回かあった。
 それに対してスペインのパスは常に強く、日本のアプローチをなかなか機能させなかった。そして、こんなところでこんな強いパスを出すのかと思うシーンでも、受け手はしっかりとコントロールし、必要ならワンタッチで的確につないだ。
 前半11分の失点は、自陣左でなんとかボールを奪回し、ボールを受けた山本理仁が前線の三戸舜介に出したとことから生まれた。

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