「複数都市」「長期間」開催でリヴァプール遠藤航&ドジャース大谷翔平も参加するハイレベルな大会へ【五輪サッカーの明日を守る「2つの選択」緊急提言】(3)の画像
開催方式を見直すことで、遠藤航などビッグクラブに所属する選手の出場が実現するかもしれない。撮影/渡辺航滋(Sony α-1)

 パリ五輪の開幕が近づいている。サッカーは開会式よりも一足先に競技が始まる。オリンピックでの選手たちの活躍は楽しみだが、心配な点もある。はたして、現在の大会方式で、今後もスポーツの祭典は持続可能なのだろうか。サッカー、それ以外のスポーツ、そして、出場するすべての選手たちと五輪の「明日」のために、サッカージャーナリスト後藤健生が緊急提言!

■もう一つの考え方「開催方式の見直し」

 もう一つの考え方として、オリンピック競技大会の開催方式のほうを見直すことだ。

 現在のオリンピックは7月下旬から8月にかけての17日間に、1つの開催都市で行われる。時間的にも、空間的にも非常に集中した大会である。

 これを見直して、もっと長期間にわたって開催するか、複数都市で開催することができれば、解決につながるのではないか。

 サッカーのワールドカップも拡大に拡大を重ね、48か国参加となる次回2026年大会はアメリカ、カナダ、メキシコの3か国共同開催となり、さらに2030年大会もスペイン、ポルトガル、モロッコにウルグアイ、アルゼンチン、パラグアイも加わった大会となる。その次の2034年にはサウジアラビア単独開催となる予定だが、このような大規模な大会を単独開催できるのは、無尽蔵の石油収入がある(と、彼らは思っている)サウジアラビアのような一部の資源を持つ独裁国家以外に考えられない。

 オリンピックもその拡大の勢いが止まらないとすれば、将来は複数都市開催を考えるべきだろう。2020年大会開催の経験を持つ日本国民は、開催都市にとってこのイベントの開催がどれだけ負担を強いられるものかは理解できるだろう。

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