■23歳以下の「世界選手権」の意味も…
そして、男子の場合はオリンピックはFIFAのインターナショナルマッチ・カレンダーに含まれないため、各国協会には選手を招集する権利がなく、所属クラブの許可が必要となる。
そのため、日本代表もオーバーエイジ枠が活用できなかっただけでなく、23歳以下の選手でもクラブの許可が得られず、招集できなかった選手が何人もおり、結局、Jリーグ選抜に海外クラブ所属選手をわずかに加えたような構成とせざるを得なかったのだ。
事情は、各国とも同じようなもの。つまり、オリンピックのサッカー競技は23歳以下の世界選手権という意味も持たないのだ。
一方、女子はフル代表が参加する大会であり、インターナショナルマッチ・カレンダーに含まれるので各国ともワールドカップ並みの最強メンバーが参加する大会となる(ただし、中2日という強行スケジュールであることは男子と同じである)。
女子の場合の最大の問題点はオリンピックがワールドカップの翌年に開催されることだ。
つまり、女子サッカーでは2年連続で世界大会が行われるのだ。その間にオリンピック予選もあるので、各国ともワールドカップ終了後に新たなチームを立ち上げている余裕はない。日本代表(なでしこジャパン)も、昨年、オーストラリアとニュージーランドで開催されたワールドカップとほとんど同じメンバーでの参加することになる。代表チーム強化のサイクルとしては、望ましい形のカレンダーではない。
まさに矛盾だらけのオリンピック・サッカー競技……。僕には、こうした大会形式が持続可能だとは思えない。では、オリンピックのサッカー競技は将来、どのように変わっていくべきなのだろうか?