メダルまであと一歩、ベスト4で涙を呑んだ前回の東京五輪。そのバトンを渡された、U-23サッカー日本代表の背番号10を背負う、オランダ1部スパルタ・ロッテルダムに所属する斉藤光毅(22)に直撃インタビュー。初戦のパラグアイ戦では、絶妙な縦へのスルーパスで三戸舜介の先制点をお膳立て。続いて、得意のドリブルで相手を振り切ると、166セントと小柄な三戸にピンポイントクロスを上げ、ヘッドでの2点目をアシストした。さらには、中央でボールを受けると、山本理仁へ完璧な落とし。3点目のアシストも決めた。
5-0での勝利に貢献した斉藤は、昨シーズンのオランダリーグでは、オランダメディア『AD』が選ぶ年間ベストイレブン入り。ハムストリングの手術で4か月のチーム離脱を余儀なくされたものの、22試合で3得点5アシストをマークした。
インタビュー第4回は、最大の武器であるドリブルの「進化」から、所属するスパルタで「求められる」プレー、Jリーグと海外リーグの「最大の違い」まで、聞いた!
「ミスして抜けなかったときは…」
――斉藤選手の最大の武器、持ち味といえば、ドリブルでの仕掛けと、ディフェンダー裏に抜ける動きがあると思うのですが、海外に渡って、さらに進化したのではないでしょうか?
横浜FC時代からドリブルは別格でしたが、海外に渡ってから切り返しがさらに深くなって、ドリブルのキレも増したように感じます。海外の選手はアジリティ(敏捷性)が高い選手が多く、ちょっと信じられないところから足が伸びてくる場合も。
そうしたディフェンスをかわすために、斉藤選手は意識して、ドリブルを変化させたのでしょうか?
斉藤 自然とそうなっているんだと思います。ドリブルで仕掛けるときは「相手に勝ちたい」という気持ちでやっているので、たとえばミスして抜けなかったときは、次はどういうふうに仕掛けるのかを考えるんです。
でも相手や状況によっても、仕掛け方は違うと思います。スパルタでは自分の1対1、サイドからの仕掛けというのは求められている部分なので、その求められている部分で成功するために試行錯誤した結果、自然とそうなっているのかもしれません。