パリ五輪の開催まで、1か月を切った。国内でもオリンピックに対する期待、関心が高まっており、男子サッカーにおいても7月3日、代表メンバー18人とバックアップメンバー4人が発表された。今回は久々にオーバーエイジ枠が使われないなど変化があったが、サッカージャーナリスト後藤健生は、これらを好意的にとらえている。日本サッカーの「成長」を示すからだ。
■東京オリンピックでは「最強チーム」結成も…
パリ五輪でメダル獲得を目指す男子サッカーの日本代表メンバーが発表されたが、今回はオーバーエイジ枠は活用されなかった。
いや、オーバーエイジどころではない。
23歳以下の選手でも招集されない選手が続出。かねて招集困難と言われていた久保建英(レアル・ソシエダ)や鈴木唯人(ブレンビー)だけでなく、将来を嘱望されるGKの鈴木彩艶(シントトロイデン)や、これまでU-23代表のキープレーヤーとして活躍してきた松木玖生(FC東京)の名前もリストになかった。
GKの鈴木はイタリア・セリエAのパルマへの移籍が噂されており、松木も海外クラブとの移籍交渉中と言われている。
つまり、パリ・オリンピックを目指す大岩剛監督率いる日本チームは、どう考えてもこの年代の最強チームではないのだ。
これまでも、海外クラブに所属する選手がオリンピックに参加するには困難がともなった。だが、2021年の東京大会には、U-23世代の最強メンバーに加えて、オーバーエイジとしてA代表の中心選手として活躍していた吉田麻也や酒井宏樹、遠藤航という錚々たる顔ぶれが加わって、「最強チーム」が結成された。
このときは、日本が開催国だったこともあって、海外クラブも選手の招集に理解を示してくれたようだ。
それ以前の大会でも、今回ほどの困難は一度もなかった。