ドイツ1部のフランクフルトでプレーし、今シーズン限りで引退した長谷部誠が帰国した。到着した空港でのまさかの様子に、ファンが驚きの声を上げている。
偉大な選手がまたひとり、スパイクを脱いだ。日本とドイツをまたにかけ、長らく活躍した長谷部が選手を引退したのだ。
そのキャリアは、栄光に満ちたものだった。藤枝東高校を卒業して2002年に加入した浦和レッズでは、プロ2年目から主力に定着。Jリーグ優勝も、アジア制覇も経験した。
2008年にドイツに渡ると、シーズン途中の加入ながらボルフスブルクの一員としてブンデスリーガで優勝。17シーズンにわたってプレーしたドイツでは、ドイツ杯、さらにヨーロッパリーグの優勝カップも掲げた。
サッカー日本代表では、2010年の南アフリカ・ワールドカップ開幕直前にキャプテンに就任。その重圧を力に変えて、歴代屈指と言われる主将へと成長した。
世界トップレベルのブンデスリーガで40歳までプレーしたこと自体が驚異的だ。その高いプロ意識はドイツでも称賛され、すでに生ける伝説の域に達していた。
ドイツではラストマッチを経験し、引退報告の会見も行った。律儀な長谷部が次に行うことは決まっている。そう、日本に戻ってのファンへの引退報告である。
長谷部は早くも、ドイツを発っている。フランクフルトの公式SNSは、長谷部に密着。空港から機内へと向かう様子、長谷部本人からのメッセージ動画などを公開していた。
さらには日本に到着した際の様子も報告。だが、その動画には少なからず驚きの声が上がった。
カメラは空港内を歩く長谷部を後ろから撮影しているのだが、誰一人として偉大なるサムライブルーの元主将に気づく様子がないのだ。長谷部を追い越していく人もいれば、スマホに夢中で視線も上げない人もいる。すれ違い女性は、荷物を持ってぶつからないように歩くことに専心している。