5月10日に浦和駒場スタジアムで行われた女子アジアクラブ選手権決勝で、三菱重工浦和レッズレディースが2−1で仁川現代製鉄レッドエンジェルズ(韓国)を下してアジア制覇を果たした。その直後に行われた“歓喜のトロフィーアップ”のシーンが「浦和に伝わる伝統芸能」として大きな話題となった。
試合は激戦だった。前半13分に先制点を献上。だが、駆け付けた多くのサポーターの応援を受けた浦和レディースが同22分に清家貴子の右足弾で同点に追い付くと、同26分にはCKから島田芽依が頭で合わせて逆転に成功した。後半はスコアが動かず。試合終了とともにスタジアムは歓喜に沸いた。
そして話題となったのが、表彰式だった。メダル授与を終えた浦和レディースの面々が全員揃って壇上に立つと、中学時代から浦和ひと筋のなでしこジャパンDF高橋はなが一人、トロフィーを高々と掲げて一歩前に出る。そしてサポーターを煽りながら、選手全員で声を合わせて「いざ、トロフィーアップ!」のはずが、声を上げたのは高橋のみ。それ以外の面々は“完全無視”で真顔をキープ。その反応に、高橋は「おーーーい!」と言いながらズッコケた。
この“トロフィー芸”は、浦和の男子チームで“優勝請負人”と呼ばれた現愛媛FCの森脇良太のお約束だったもの。その芸を女子チームも受け継いでおり、昨季のWEリーグ優勝の際にも披露していたが、今回のアジア制覇の際にも臆することなくやり遂げた。