■GK林の好守で仙台が連勝!
追いかける鹿児島が後半からパワーを注いでくるのは、仙台にとって想定内だっただろう。前半同様にDFラインの細かな調整で、コンパクトさと同時に選手同士の距離感も保つ。相手ボールの局面では前線から規制をかけ、ロングボールを蹴らせてセカンドボールを回収する、といった作業もできていた。
森山監督は57分にMF相良竜之介とFW中山仁斗を投入し、66分にはMF長澤和輝を送り出す。攻撃的な姿勢は見せるものの、2点目を奪うことはできない。
惜しまれるのは77分の場面だ。中島のスルーパスに相良が反応し、ペナルティエリア内左でGKと1対1になったが、決め切ることができなかった。ここで追加点を奪っていれば、その後の試合展開は違ったものになっていただろう。
後半はGK林彰洋の好セーブが光った。至近距離からのシュートも弾いたりこぼしたりせず、しっかりと収める。それによって、2次攻撃、3次攻撃を許さなかったのだ。試合翌日に37歳の誕生日を迎えた守護神の活躍が、1対0の勝利を呼び込んだのだった。
試合後のフラッシュインタビューに応じた森山監督は「ほぼ鹿児島さんのゲームになってしまった」と話した。J1昇格争いに加わっていくには、内容が良くなくても勝点は逃さない、という試合が必要である。アウェイで粘り強く戦ったこの日は、まさにそういった試合と言える。勝点3を持ち帰ることができたのは、ポジティブにとらえていい。
現状の課題は攻撃だ。決定機をモノにするのも大切だが、チャンスの数を増やしたい。この日は先発した菅原も、途中出場の中山も、シュートがなかった。FWが流れのなかでシュートを打つシーンが少ないところに、現在の仙台の課題がある。