■後半は2点を奪ったものの…
後半も先手を取られた。54分、相良からボランチの長澤和輝への短いパス交換を狙われ、カウンターを食らう。そのまま決められてしまった。好調の相良は厳しくマークされ、持ち味を発揮できない。
2点を追いかける60分、森山監督が動く。右SB高田椋汰、MF工藤蒼生を下げ、右SB真瀬拓海とMF松井蓮之を投入する。この交代が劣勢を変えた。
65分、松井のパスカットからカウンターを発動する。3対2の局面で中島がドリブルで運び、ペナルティエリア手前からシュートを放つ。この一撃はGK権田修一に弾かれるが、セカンドボールを相良が収めて中島へつなぎ、背番号7がプッシュした。
ここからは狙いを持った攻撃を表現していく。今シーズン初出場となった真瀬の積極的な攻撃参加が、右サイドに優位性をもたらした。ビルドアップの局面で内側へ立ったり、ゴール前まで飛び込んだりする動きが、チームの攻撃を活性化していった。
しかし、83分に痛恨の失点を許してしまう。途中出場の清水MF西原源樹をペナルティエリア内でフリーにしてしまい、鮮やかなターンから決められた。
後半アディショナルタイムの90+3分、途中出場のMFオナイウ情滋が縦パスに反応して相手DFラインの背後を突き、ペナルティエリア内右から同サイドを破った。プロ2年目の背番号27が自身初ゴールを決めたが、仙台の反撃はここまでだった。
試合後のフラッシュインタビューに応じた森山監督は、「前半はいつもより消極的になってしまったかなというのが、すごく残念で悔しくて。後半はアグレッシブにできたんじゃないかなと。失点は自分たちのミスからと、やっぱり相手の個人の力は大きかったと思います。こちらも十分やれるところは示せたんですけど、なんで最初からやらなかったのか、今日はそれに尽きます」
次節はジェフユナイテッド千葉とのホームゲームだ。小林慶行監督が指揮するチームは、ここまで4勝2分5敗の12位だ。6位でプレーオフに進出した昨シーズンを受け、J1昇格候補にあげられているが、黒星が先行している。アウェイでの戦いでも勝点3がほしい状況だ。
次節について問われた森山監督は、「消極的なサッカーを見せるよりもガンガンいって、負けてもアグレッシブで、観に来てもらえた皆さんが何か心が打たれるようなサッカーをしたい」と話した。
次節からはゴールデンウイークの3連戦だ。シーズン前半戦の山場となる。今節の敗戦で5位から7位へ順位を落とした仙台にとっては、上位へ食らいついていくために負けられない一戦となる。