狙っていたインターセプト「ワザとSBに…」

 34分にマルセロ・ヒアンのゴールで同点に追いつかれた町田。町田の54分の2点目はまたもや平河からもたらされた。鳥栖のCBのキム・テヒョンがCHの河原創から横パスをもらう。キムはボールを左足で受けて左SBの上夷克典にパスしようとする。ボールが少し流れてキムの足元から離れた瞬間に、平河は猛スピードで前進してインターセプトする。
 まず、インターセプトした場面だが、筆者は、平河が最初からボールを奪うのを狙っていたように見えた。試合後に平河にそのことを質問した。「インターセプトは狙っていたの?」と聞くと「はい」と即答する。「どんなタイミングで狙っていたの?」と問うと「相手のCBのパスがちょっとズレていたんです。最初のタイミングで(ボールを奪いに)行ったら剥がされるかと思ったんです。だから、ワザとSBにボールを出させるように動いて(ボールを)取りました」と話した。

2点目「どちらが確実かなと考えて…」

 リプレーがあれば、この場面の平河の動き出しを見てほしい。キムがボールを河原から受けてすぐは、まったくボールを追う動作をしていない。ボールがキムの足元から流れる瞬間に、猛ダッシュして右足でボールをインターセプトした。
 さらに、奪ってから縦に切り込むのだが、このときに、平河の視界にはGK朴一圭選手がニアサイドに立っていたのが見えた。だから「ファーサイドにシュートを打つ選択もあった」と平河は言う。
 しかし、「山﨑(浩介)選手がファーサイドにカバーに入っていた」からシュートの選択を捨てたと話す。そして、「(オ・)セフンがいたのはずっとわかっていたので、(シュートかパスか)どちらが確実かなと考えてセンターにパスを出しました」と語るのだ。

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