【J1川崎が貫く攻撃的姿勢と守備との両立(1)】鬼木達監督と2CBが練習後に青空会談……「そういう現象を整理していくのが大事」と対話を重ねた、守備の局面での振り返りの画像
4日の練習に取り組む川崎フロンターレの大南拓磨と高井幸大 撮影:中地拓也

 練習場の一角に、宙に浮かぶようにヒモでぶら下がるボールが3つ用意された。それぞれの高さが変えられており、そこに、居残り練習に励む選手が次々とジャンプしていく。昨年も何度か見られたその光景は、ジャンプの最高点にどのようにして到達するのかを確認できるものだ。そのためには態勢が良くなければならず、空中戦での競り合いにその姿勢を生かすこともできる。

 最終ラインの選手だけでなく、前線の選手もさまざまにトライしていくその場所で、何度も試行錯誤していたのが大南拓磨と高井幸大だった。2人は笑顔も交えながら、さまざまに試していく。他の選手の飛ぶ様子も見ながら、コミュニケーションも取っていた。

 そんな2人を、頃合いを見て呼び止めたのが鬼木達監督で、立ったまま3人は長い時間話し込んだ。話している内容は当然聞こえないが、この練習の3日前の試合内容について話しているであろうことは明白だった。

 3月1日、チームはホーム開幕戦に挑んだ。アウェイでの開幕節で逆転勝利をしたままに連勝と行きたかったが、J1昇格組のジュビロ磐田を相手に敗戦。4-5という死闘を演じたうえで敗れたのだった。

 立ち上がりの6分に失点すると、その後、18分、29分と失点を重ね、前半途中で3点を追いかける立場となっていた。その後、地力を見せて3-3の同点に持ち込んだものの、その後の失点数も得点数よりも多くなってしまった。

 話が終わると、大南拓磨と高井幸大が並んでクラブハウスに戻ってきた。やや聞きにくい話題ではあったが、大南に話を聞くと、「今の(話)は局面でのこと、失点シーンのことの振り返る感じで話をして」と説明する。

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