■今後も変わりうる序列
「同じ年齢で1年目で出てるのは刺激になりますし、それはポジションが違っても関係ない。やっぱり同じ代の人が出てるのは負けたくない気持ちになる」
植村はそうした同期の選手たちの活躍を刺激にしながら、より成長していく意識を持っている。今回は右サイドバックでチャンスを掴んだ、もちろん「中盤のポジション争いが激しいというのは分かりますし、でも自分にできることを精一杯やって、自分のプレーが出せれば誰にも負けないという自信はある」という言葉の通り、ゆくゆくはボランチでプレーすることを目指して今やれることを精一杯にやっている姿は、きっと横内監督の目にもポジティブに映っているだろう。
神戸戦の後半35分に、植村との交代で入った西久保駿介はJ2のジェフ千葉からの新加入選手だが、ゴールの右脇まで侵入して、逆サイドからのクロスに頭で合わせるなど、身体能力の高さを生かしたアグレッシブなプレーは短い時間でもアピールになったはず。キャンプで出遅れ、今回はベンチ外だった川崎(崎はたつさき)一輝もJ3のカマタマーレ讃岐で10番を付けていたように、攻撃的なポジションもできるセンスというのは間違いなく非凡なものがある。つまりはサイドバックでも、植村が試合に出続けるのは簡単ではない。
横内監督は開幕戦のスタメンこそ、ここまでの評価で神戸戦のベストとして送り出したが、その評価というのは今後も変わりうることを強調していた。18歳のDF朴勢己から40歳のGK川島永嗣まで、15人の新戦力が加わった磐田はチーム内競争を繰り広げながら、J1の戦いに挑んでいく。試合に出た選手、出られなかった選手、ベンチ外でスタンドから試合を見守った選手。それぞれが何を感じで、ここからのトレーニングに生かしていくのか。磐田の残り37試合の結果はそこにかかっている。