「鈴木彩艶GK起用の理由」「2列目に物足りない旗手怜央」「復活の南野拓実は…」【アジアカップ「波乱のグループステージ分析」サッカー日本代表「決勝トーナメント攻略」の激論】(5)の画像
大きな可能性を秘めているGK鈴木彩艶。撮影/原壮史(Sony α1使用)

 アジアカップはグループステージを終了し、決勝トーナメントの開始を待っている。サッカー日本代表はグループGを2位通過。連勝が10で止まった理由をいかに消化し、この先を勝ち進む力へと変えていくべきなのか。ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が徹底的に語り合った。

■GK選択に見える覚悟

――パリ五輪世代の選手も出場していますが、GKの鈴木彩艶に批判の声が上がっていました。

後藤「メンバーが発表されたときに、国際経験があまりないGKを3人連れていって大丈夫なのかなと心配したんだけどね。前川黛也も年齢は上のほうだけど、まだ1キャップ(代表出場回数)でしょ」

大住「今回の選択を見て、森保一監督は2026年のワールドカップを彩艶でいくと決めて、これから使っていこうと決心したんだなと感じたけど」

後藤「すごく思い切ったよね。保険として1人くらいベテランのGKを連れていくかと思っていた。彩艶はいきなり批判を浴びることになったけど、3戦目ではけっこう思い切ったプレーができるようになっていた」

大住「やはり高い球に対する安定度は、すごいよね」

後藤「ああいうプレーをもっとバンバン出してくれたら、GKは日本のストロングポイントと言えるようになるくらいのすごい素材だよ。落ち着いて力を出しさえすれば、すごいGKになる。これまでも国際試合に何試合か出てはいたけど、日本が一方的に攻める展開で、ほとんど仕事をする場面がなかった。それなのに、いきなりアジアナンバーワンを決める大会で使われて、あれだけ批判を浴びるというのは、すごいスパルタ教育だなと思った。でも、アジアカップでの1試合は、親善試合に5試合出るより、ずっと大きな経験になったはずだよ」

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