■他の国とは違った暑さと不快感
もし遅れてしまってコンディションに影響して初戦を落としていたら、その後の無敗にはつながらなかったかもしれない。そういう意味では、実に大きな分岐点だった可能性がある。
事実、JDT戦は“ザ・アウェイ”という環境で行われた。まずは説明するまでもなく環境だ。9月のマレーシアでの試合は、蒸し暑い中でのものとなった。
筆者はサッカー日本代表の取材(9日=ドイツ代表戦、12日=トルコ代表戦)のためにその直前までドイツやベルギーに滞在しており、日本に帰国したのが14日のこと。15日にFC東京戦を取材し、シンガポール経由ではあったものの、同じようにジョホールに入っている。
そのドイツも、持って行った長袖が不要となるまさかの暑さで、地元の人に「異常気象だ」としかめっ面を見せられたが、太陽の日差しが痛い欧州の暑さとはまったく別物。日本の蒸し暑さとも違った、体に「不快」の2文字と熱風が怨念のようにまとわりつくような感覚をマレーシアで味わった。
いざ試合が始まれば、相手ゴール裏から聞こえてくる日本人には聞きなれないリズムのチャントにも調子を狂わせた。川崎のサポーター席ははるか上部。望遠レンズを用いなければ顔を判別でなきかった。
地元メディアのカメラマンが所狭しとレンズをピッチ横に並べる中、日本人でカメラを持ったのは筆者1人だけ。取材する側にとってもアウェイだった。