高校サッカーの公式戦で、実に珍しい“開始7秒ゴール”が生まれ、話題となっている。
舞台は、第102回全国高校サッカー選手権の山口県予選。11月5日に準々決勝が行われ、過去3度の全国出場経験を持つ西京高校と、全国未経験も2022年のインターハイで決勝進出を果たすなど新興著しい宇部鴻城高校が対戦した。そのキックオフ直後に“事件”は起こった。
多くの観衆が見守る中、両チームが円陣を組む。そして主審の笛が鳴ると同時に、宇部鴻城がセンターサークルの外、さらに最終ラインまでボールを下げる。そこに西京の背番号9、佐々木大登が猛然とプレスを仕掛けた。それに対して、宇部鴻城の主将DF福永浬琉選が前線に大きく蹴り出そうとしたが、ジャンプした佐々木がブロックに成功した。
ここまではそれほど珍しいことではないが、その後の“ボールの行方”が驚きだった。佐々木の頭に直撃したボールは、そのまま大きく舞い上がると、ゆっくりと弧を描いて宇部鴻城のゴール方向へ。そして前に出ていたGKの頭上を越え、ワンバウンドしてゴールネットを揺らしたのだ。
まさかの先制ゴールをマークした佐々木は、座り込みながら味方の祝福を受けるも理解が追い付かない様子。ボールをキックした福永は苦笑いを浮かべるしかなかった。