大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第123回「サッカージャーナリストが『絵はがきじいさん』をする理由」(3)アウェイゲームをさらに素敵なものにする新習慣の画像
アウェイ観戦の際には、絵はがきを送ってみては? 撮影:中地拓也
 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト・大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム」。今回は「10グラムの思い」。

■南米からの絵はがき

 半世紀近く昔、私を感激させたのは、カメラマンの富越正秀さんからの絵はがきだった。ロンドンを拠点に欧州から北米、南米まで飛び回って『サッカー・マガジン』に写真を送ってきてくれていた富越さんは、取材先のスタジアムの絵はがきに彼らしいウイットに富んだ文章をつけて、送ってきたのである。

 仕事を始めてから年賀はがきのやりとりは100枚単位になったが、絵はがきを受け取るということなど年にいちどあるかないかだった。そんなときに南米の名スタジアムの写真の航空写真のついた絵はがきが、ブエノスアイレスから届くのである。ただ名前だけ知っているスタジアムが「南米のパリ」と言われた巨大都市を背景に立っている姿が、私の想像力をかきたてた。

 女子チームの選手たちに絵はがきを書くようになって気がついたのは、選手だけでなく、その子どもたちがとても喜んでくれているということだった。選手の何人かには子どもがいて、どんどん成長している。私が送る絵はがきを見て、子どもたちが見知らぬ国々への想像力をかきたてられるなら、たった1枚、10グラムにも満たない絵はがきといっても、なかなか価値のあるものではないか…。

 サッカー好きの友人にはできる限りスタジアムなどサッカーに関係した絵はがきにしたい。しかし見つからないときもある。だがたいていはその都市の観光の目玉の風景や建物の絵はがきはあるので、そうしたはがきをせっせと送るのである。

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