■選手移籍へのメリット

 そのヨーロッパのシーズン制に合わせることによって、日本人選手がJリーグクラブからヨーロッパのクラブに移籍するのが容易になる。それが、秋春制移行の最大のメリットだ。

 現在の春秋制だと、日本人選手はJリーグのシーズンの途中の夏場に移籍する場合が多く、主力選手が急に抜けることによってJリーグクラブはチーム編成上の問題を抱えることになる。逆に、Jリーグのシーズンオフである冬に移籍すると、ヨーロッパのシーズンの途中に新チームに加わることになるので、チーム戦術やヨーロッパでの生活に馴染む時間が得られない。しかも、1年半もの間、シーズンオフなしでプレーし続けなければならなくなるのだ。

 ヨーロッパのクラブに所属している選手がJリーグクラブに移籍する場合も、同様の問題が生じる。

 だから、Jリーグクラブとヨーロッパのクラブとの間の移籍ということを考えれば、秋春制移行に大きなメリットがあることは間違いない。

 海外移籍がより活発になれば日本代表の強化につながるし、Jリーグクラブが手にする移籍金も増えるはずだ。

 その他、ヨーロッパのシーズンと合わせておけば、国際大会への参加や日本代表のマッチメークも現在より容易になるだろう(FIFAの大会も、ヨーロッパのシーズンに合わせて開催されている)。

(2)へ続く
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