長年話し合われてきたJリーグのシーズン制で、大きな動きがあるようだ。「秋春制」への移行が近づいている、と報じられている。白黒つかざるを得ない案件ではあるが、その内容について、もっと吟味するべきではないか。シーズン制で本当に考えるべき点を、サッカージャーナリスト・後藤健生が指摘する。
■「秋春制」への動き
Jリーグが「秋春制」に移行する方向で動いているようだ。「次回ワールドカップの後の2026年夏から新シーズン制に以降する」とも報じられている。
「Jリーグの秋春制移行」に関しては、これまでも何度も検討されてきたが、冬場の試合開催が困難な北国(雪国)のクラブの反対が強く、移行は見送られてきた。いわば、Jリーグにとっての「長年の懸案」だった。
日本サッカー協会会長の田嶋幸三会長も熱心な秋春制移行論者だとも伝えられており、このタイミングでいよいよ移行が実現しそうだ。
結論的に言えば、僕は秋春制への移行には反対だ。そこで、最終決定がなされる前に論点を整理しておきたい。
秋春制移行の最大のメリットは、ヨーロッパのシーズン制に合わせられることだ。世界のサッカーの主流であり、日本人選手も数多く活躍するヨーロッパ各国リーグでは、一部の北欧諸国を除いて伝統的に秋春制が採用されてきた。