■南野拓実が感じていた「悔しい気持ち」
キーマンは南野拓実だろう。モナコで今シーズン3得点3アシスト。ザルツブルク時代の南野をよく知るアドルフ・ヒュッター監督のもと、2シャドーの主力としてリーグアンの首位クラブを牽引している。無得点に終わったカタールW杯のあと、代表から遠ざかっていたが「選ばれてない間の期間に悔しい気持ちとかありましたけど、でも選ばれたからには、ここに来たからにはしっかり代表のためにプレーするって気持ちは変わらない」と語る。
森保監督はメンバー発表の段階で、4-2-3-1ならトップ下、4-1-4-1ならインサイドハーフで南野を起用することを示唆していたが、現在の状態を考慮して選外となった鎌田や堂安に加えて、左サイドの主力である三笘が辞退、さらに追加招集の奥抜も体調不良で、カナダ戦の2日前の練習を欠席した。そうした状況で浮上してきたのが2列目の左サイドだ。
”第一次・森保ジャパン”でも経験のあるポジションだが、成長い著しい久保建英(レアル・ソシエダ)と組んだ場合に、どういった相乗効果を生み出すかは未知数であり、だからこそ楽しみでもある。
その二人が左と中央で組んだ場合、右サイドの伊東純也(スタッド・ランス)との関係性も注目ポイントになる。かつて鎌田、南野、伊東で2列目を組んだときは鎌田と南野が近い距離で絡み、右から伊東が持ち前の突破力や鋭い飛び出しで違いを生み出す、非対称な関係が強みになっていた。それに似た関係になるかもしれないが、伊東も当時よりプレーの幅を広げており、相手ディフェンスにとって対応しにくいセットになりそうだ。左に中村敬斗(スタッド・ランス)が入るケースは南野、伊東、中村というリーグアンで活躍するトリオの構成になる。