■「“新しい中山雄太”として帰る」

 楽しかった、とすら言ったリハビリ期間だが、実際、アキレス腱断裂の診断が出るだろうと思った瞬間に頭を切り替えていた。

「怪我をした瞬間から(W杯の)次回大会に向けて自分がどうなっていうことしか考えてなくて。心配の声などありがたい言葉をいただいて、それは本当にパワーになりましたけど、自分としては落ち込んでなかったんで、本当にプラスとしてのエネルギーをいただいたなと」

 負傷を経てどのような成長があったのか。そんな質問に対して中山は。「そこはもうプレーを見ていただいて、皆さんの判断で評価していただければいいなと思います」と力強く語った。

「僕自身は怪我を治すっていう意識で取り組んでいたわけじゃなく、SNSでも公表しましたけど、“新しい中山雄太”として帰ることを頭に置いてやっていたので、それがしっかりとプレーで表れればいいです」

“新しい中山雄太”を日本のピッチで見せる――。負傷後に受けた声援に応える環境は整った。

(取材・文/中地拓也)

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