サッカー日本代表がドイツ代表に勝利した9月9日の国際親善試合。このマッチメイクは、ドイツサッカー連盟が熱望したものだった。
その“熱望”の理由はもちろん、カタールワールドカップにある。グループリーグ初戦でこのカードが開催されたが、日本が逆転勝利。ドイツは初戦で出鼻をくじかれたこともあって、グループリーグでの敗退に終わった。それから1年弱が経過して行われたこの試合の意義が、リベンジにあることは明白だった。
しかも現在、ドイツ代表は苦しい状況にある。今年に入って5試合を行っているが、1勝1分3敗と負け越しており、しかも、2連敗中。この不振を脱却するうえで、日本戦を大きな転機にしたかった。
しかし、ピッチの上でドイツ代表は思うように攻撃ができなかった。青いユニフォームのブロックを前に攻めあぐねるホームチームに対し、サポーターからは何度もブーイングが起きた。前半のうちに、トーマス・ミュラーを出してほしいという意味の「ミュラー」コールまで起きたのだ。