■「常にサブは、スタメンのすぐ後ろを走っている」

 ここまで負傷者が多かったこと、また、ポジションごとに負傷者が偏るアクシデントもあって、チームは選手のやり繰りに苦労していた。しかし、それも徐々に戻りつつあることでベンチメンバーにも選択肢と迫力の両方が戻ってきた。

 この日の試合には、キックオフ前の万が一に備えて19人目の選手として田邉秀斗も帯同していた。4月9日のガンバ大阪戦で左ひざ内側側副靭帯を損傷して同12日に手術を行い、全治4~5か月程度と発表されていたが、7月29日のバイエルン・ミュンヘン戦で久々の出場。そしてついに、公式戦出場もあと一歩というところまで来たことになる。

 試合後、瀬川はこう話していた。
「常にサブは、スタメンのすぐ後ろを走っているんだぞっていうのをスタメンの選手に見せなきゃいけない」

 逆転優勝に向けて、層の厚さは欠かせない。ここからはACLの日程も加わるため、その重要性はより高まってくる。先発とベンチメンバー、そしてそれを覆そうとする個々の働きが、逆転優勝に向けた重要なキーワードになる。

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