後藤健生の「蹴球放浪記」第158回「パレンバン上空で思い出した軍歌」の巻(1)インドネシアの石油精製所に呼び起こされた記憶の画像
2007年アジアカップのADカード 提供/後藤健生

 乗り物での移動も、サッカージャーナリストの仕事の一部である。蹴球放浪家・後藤健生は陸、海、時には空と、あらゆる空間を移動する。2007年アジアカップでは、忘れられない風景に出会った。

■移動も仕事のうち

 サッカージャーナリストという職業をしていると、多くの時間を試合観戦に費やします。1年に200試合を観戦するとなると、1試合当たり2時間で合計400時間スタンドに座っている計算になります。

 いつも気候が良いのならまだしも、寒い時も暑い時もあります。時には屋根のないスタンドで雨に濡れながら観戦することもあるわけです。

 4月19日時点で僕の観戦試合数は7063試合に達しました。1試合2時間とすると合計1万4126時間=約588日もスタンドに座っていたことになります(もちろん“テレビの前”は計算に入れません)。

 また、サッカージャーナリストはスタジアムにいるのと同じか、それ以上の時間を乗り物に乗って過ごします。

 Jリーグ観戦でも片道1時間くらいの移動があり、大阪での試合観戦のために高速バスを利用すれば約10時間のバスの旅ということになります。ヨーロッパでの観戦に行くと片道10時間前後の空の旅。行き先がアルゼンチンやブラジルだったら、片道30時間以上! まさに「難行苦行」です。

 全試合がドーハ市内およびその近郊で行われた昨年のワールドカップでも、1日2試合観戦するためには合計3時間くらいメトロやバスに乗っていなければなりませんでした。

 ですから、サッカージャーナリストという職業は旅行することが仕事のようなものです。

  1. 1
  2. 2
  3. 3