■なぜ砂漠に高速道路が?
メディアのシャトルはメディア入口のそばまで行けるので便利だが、これに乗るにはメイン・メディアセンター(MMC)まで行かなければならず、MMCのバス乗り場はメトロ駅からかなり遠いので、僕がメディア用シャトルを利用するのは試合終了後、他のスタジアムに向かう時だけだ。
しかし、今日のように時間に余裕がある場合には、メトロで途中下車して市内のレストランで食事をすることが多い。
あるいは、シャトルバスを降りた近所にレストランがあればそれがベストだ。
たとえばアルトゥママ・スタジアムだ。
同スタジアムはアルワクラ市内にあり(「ドーハの悲劇」の舞台、アルアリ・スタジアムからも近い)、宿泊所からも遠くないので直行バスが便利だ。だが、直行バスはスタジアムの西側の周囲に何もない場所に到着する。しかし、メトロのフリーゾーン駅からのシャトルはわずか10分でスタジアムの東側の住宅街に着いて、近所には安いレストランが散在しているので、こちらを選択した。
いずれにしても、カタールが交通問題を見事に処理していることは間違いない。
それを可能にしたのは、もともと出稼ぎ労働者の移動手段としてバス交通が発達していたからだ(カタール国籍を持つ裕福な人たちは自家用車を持っているのでバスなどほとんど利用しない)。そして、天然ガス収入による豊富な資金と出稼ぎ労働者の安い労働力を使って、何もない砂漠地帯に片側3車線、4車線の高速道路網が建設されていたからでもある。