■俊輔は帰ってくるはず

 撮影が終わって引き上げようとする中村だったが、仲間たちは逃がしはしなかった。皆で担ぎ上げると、胴上げを開始。背番号25が、宙に3度舞った。

 湿っぽい話は、日本サッカー界の象徴にはふさわしくない。中村は“お前、蹴っただろう”といったジェスチャーをして苦笑いを浮かべ、最後も“らしい”ひとことで締めくくった。

「帰ろう」

 ひとまずは、ゆっくりと体を休めるかもしない。だが、どんな形であれ、永遠のサッカー小僧は華やかなサッカーの舞台へと帰ってくるはずだ。

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