サッカー大国アルゼンチンで起きたある出来事が、世界中のサッカーファンの注目を集めている。
事が起きたのは、現地時間8月22日に行われた同国1部リーグ、デフェンサ・イ・フスティシア対ボカ・ジュニオルスの一戦。後半アディショナルまでスコアレスで推移したこの試合は、90+2分にボカのFWルイス・バスケスがセバスティアン・ビジャからのスルーパスを受け、デフェンサのGKエゼキエル・ウンサインと1対1に。左足でのシュートでファーサイドを狙い、ボールはゴールマウスに吸い込まれた。
ボカがこの虎の子の1点を守りきり、試合は幕引き。終了間際の失点で勝ち点を逃したデフェンサの面々の落胆ぶりは小さくなく、ウンサインはピッチ上でうずくまった。
悲嘆に暮れるこのアルゼンチン人GKを慰めたのは、なんと一人の少年。ピッチに乱入するやいなや、試合終了後もペナルティエリア内でうずくまる同選手のもとへ駆け寄り、彼を優しく抱きしめたのだ。
「ウンサインには“泣かないで!”と言ったんだ。サッカーで勝ったり負けたりするのは当たり前。彼が悲しくて泣いているのを見て、感情的になった。僕もいつか、彼のようなGKになるつもり」
ピッチに乱入した12歳の少年ティッツィアーノ・カリーソは、『D SPORTS RADIO』のインタビューでこのように振り返っている。この言葉を報じたブラジルメディア『TRIVELA』も、「これまで見てきたサッカーシーンのなかで、最も優しいものの一つ」と、彼の思いやりあふれる言動や振る舞いを称えた。