■「相馬の個の能力」が「広島のコンビネーション」を上回る

 同24分に満田誠を入れたものの、36分に森島司を下げる。そして、森島の代わりに入った相馬勇紀が流れを変えた。時間にして9分強だったが、武器とするドリブル突破でチャンスメイク。ラストパスを出して決定機を演出すると、自らシュートも放った。コーナーキックも何度も獲得し、流れを完全に引き寄せた。結果的に、相馬一人の個の能力が広島のコンビネーションを上回ったことになる。

 森島がこのポジションを務めていた時間も、森島にボールを出そうという気配はあった。しかし、森島の受けるポジションは低かった。もともと、パス交換の中でチームにプラスをもたらす選手だけに、それを生かそうとすれば当然のポジショニングではあったし、ドリブルが売りの選手でもない。チャンスを作る面では苦しい部分があった。

 野津田がゲームコントロールをするなど広島のいい部分もたしかにあった。が、チャンスメイクという意味で広島のコンビネーションは生かされなかった。

 このE―1では、1戦目でマリノス勢、2戦目で広島勢のコンビネーションを用いて戦い抜きたい意図があったが、それが2戦目にして崩れることとなった。逆転優勝を目指さなければいけない立場となり、3戦目にかかるチームへのプレッシャーは大きい。

 大会優勝と同時に日韓戦という独特の空気を持つ試合に、森保監督はどう挑むのか。日本代表の人気低迷が叫ばれる中で、内容と結果の両方を求める難しい戦いとなりそうだ。

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