もっとも、J1とJ2の開幕節全20試合で中止(延期)となったのは大分トリニータ対水戸ホーリーホックの1試合だけですんだのは不幸中の幸いとも言える。たとえば、同じ週末に予定されていたラグビーのリーグワンでは、ディビジョン1の6試合中なんと4試合が中止となってしまったのだ。それに比べればJリーグは比較的影響が小さくてすんでいる。
競技の特性上「密」を避けられないのでラグビーの方が感染症の影響を受けやすいという側面もあるが、やはり新型コロナウイルスの感染拡大が始まった2020年春にいち早くJリーグが感染拡大防止のために積極的に動いたこと。そして、それ以来、感染対策を続けてきたことの蓄積があったからこそ、今、多くの観客を入れながら開催を続けていられるのだろう。
■王者を「あと一歩」まで追い詰める
さて、そんな開幕戦の中で最も注目されたのは、J1リーグ3連覇を目指す川崎フロンターレに挑んだFC東京の善戦だった。
FC東京は、毎日のように「新型コロナウイルス感染判明」を知らせるリリースが届いている(もっとも、感染者の人数は告知されるものの、「誰が感染したのか」は公表されていない。開幕戦のFC東京のラインナップを見るとDFの森重真人やMFの高萩洋次郎、東慶悟といった主力選手の名前がなかった)。
そんな不安の中の船出ではあったものの、FC東京は王者、川崎を「あと一歩」まで追い詰めた。