J2021年のJリーグがいよいよ幕を開ける。本稿では新たなシーズンに挑むJ1各チームの注目選手を2名ずつピックアップ。チームとしてのポイントも紹介する。ニュースターの誕生を期待したい。
◎柏レイソル
いなくなった選手は関係ない、とはいえ、マイケル・オルンガがカタールのアル・ドゥハイルに移籍したことを無視することはできない。
オルンガが抜けた穴を埋めることは不可能だ、と考えるのは自然だ。得点王でMVPというその大きすぎる存在を忘れさせてくれる選手は簡単には現れない。いくら柏が定期的に大当たりの助っ人選手を連れてくるチームだとしても、いきなりそこに期待するのは危険だ。1人で埋められないことは前提で、それぞれの選手がより攻撃で目立てるようになることで得点力を保つことになる。
オルンガが強力すぎただけで、攻撃力はもともとある。クリスティアーノと江坂任が務める2列目の破壊力はJ屈指で、共に10ゴール10アシストすることも十分可能だ。
良い攻撃は良い守備から、2列目を活かすには3列目の安定が欠かせない。中盤はフルミネンセで主力を担っていたドッジ、ベガルタ仙台から椎橋彗也を獲得し、ヒシャルジソンと大谷秀和が揃わなかった場合の質の保持以上の補強を果たした。この4人ならば、誰が出ても2ボランチで安定した試合進行をすることができる。
オルンガの穴は1人で埋めるのではなく、チーム全体で安定度を高めることで結果的に埋まる。
守備では中村航輔が念願の海外挑戦へと旅立ったものの、予め獲得しておいたキム・スンギュがいる。不在を感じさせない試合で、柏から世界へ、の再びの実現を狙う。