G大阪は宮本監督の言葉通り、“割り切るサッカー”を試合開始時点から遂行。開始3分のFWアデミウソンのヘディングシュートは、MF福田湧矢が左サイドでボールを受けると、崩す前の段階でクロスを入れたものだった。
また、重馬場の環境でFWパトリックの強さも効いた。2戦ぶりの先発となったブラジル人FWは要所で高さと強さを発揮。ボール際の勝負で何度も競り勝った。中盤ではMF井手口陽介とMF山本悠樹が前線への攻め上がりを自重してボールの回収に徹したことでバランスとリズムを作ったが、それができるのも、FWアデミウソンやFW宇佐美貴史といった、前線に個人で違いを作れる選手をそろえたからだ。
ルヴァンカップ準決勝で川崎を破ったFC東京に何度かチャンスを作られたものの、DF陣とGK東口順昭が体を張って守った。豪雨で決してサッカーをする環境ではなかった味の素スタジアムを、味方につけたのだ。
これでG大阪は6連勝。FC東京との勝ち点差は「3」だが、試合数は3試合少ない。そのため、天皇杯に出場するための2位以内にグっと近づいたことになる。次節は、ホームに横浜Mを迎える。川崎に次ぐ2位の座を力づくで奪取するために、アタッキングサッカーが復活しつつあるトリコロール軍団を退ける自信はある。