同様に、南米ではコパ・アメリカの開催が予定されており、やはり24歳以下の選手でも当然、コパ・アメリカが優先だ。さらに、北中米カリブ海選手権(CONCACAFゴールドカップ)も2021年7月に予定されているからオリンピックで最強メンバーを組めなくなる(アフリカ・ネーションズカップは予定通りに開催できたとすれば2021年1月開催となっているので、オリンピックとは競合しない)。

 もともと、ヨーロッパ諸国ではオリンピックのサッカーはそれほど重視されない。オリンピック年代であってもレベルの高い選手はA代表での活動が優先され、オリンピックに参加しないことも多かった。大会が「23歳以下」ではなく「24歳以下」となったことで、その傾向は増すことだろう。

 そうした状況を考えれば、日本協会とヨーロッパ各国の各クラブとの交渉が順調に進んですべての選手を招集できたとすれば、オリンピック開催の1年延期によって日本のメダル獲得の可能性が多少高まったと考えることもできるのだ。

「なでしこ」の金への道程

 さて、同じサッカー競技でも女子は年齢制限のないフル代表が出場する。「なでしこジャパン」は、かつて2011年のワールドカップで優勝して日本中を熱狂させた記憶もあり、一般的には男子以上にメダルが期待されている。

 だが、昨年フランスで開催された女子ワールドカップでは、女子日本代表はラウンド16での敗退に終わってしまった。ワールドカップ以後は親善試合や12月に韓国・釜山で開かれたE-1選手権などで全勝を続けていたものの、2020年3月にアメリカで開かれた「シー・ビリーブスカップ」ではスペイン、イングランド、アメリカ相手に3戦全敗。強豪との差を見せつけられてしまった。

 女子サッカーの人気拡大には代表の活躍が不可欠であり、女子サッカーのプロ化や2023年女子ワールドカップの日本招致を進めている日本サッカー協会としては、ぜひとも東京オリンピックで結果を出したいところだ。

 シー・ビリーブスカップでの顔ぶれを見ると、2021年の東京オリンピック開催時点で30歳を超えるのは攻守の要となる熊谷紗希(リヨン)、中島依美(INAC神戸)、菅澤優衣香(浦和レッズ・レディース)の3人のみ。攻撃の中心である岩渕真奈は28歳。そして、2018年のU-20ワールドカップで優勝したメンバーなど若手も多いのが現在の女子代表だ。

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