――選手、監督の移籍に関する噂もチームの結束に悪影響を及ぼした気がします。
「そうです。ライプツィヒのケイタにはリバプールからオファー(注/昨夏に18ー19シーズンからの移籍が決定したが、今年1月に前倒しの移籍を打診されていた)が、ホッフェンハイムのナーゲルスマン監督にはバイエルン行きの噂がありました。どちらのチームも徐々に雰囲気が変わっていったと思います。一つのチームだったのに。ハーゼンヒュットル監督やナーゲルスマン監督が今、あちこちでテレビに出たりしているのも個人的にどうかと思います。それで試合で少しずつ勝てなくなり、メディアやフロントからのプレッシャーが強まりました。こういう理由でパフォーマンスが上向かなかった」
――ケルンはいかがでしょうか。最も期待を裏切ったチームです。
「私が昔プレーしていたクラブですね。そもそもヨーロッパリーグに行けたのが、ちょっとラッキーでした。それなのにシーズン開幕前に、ベストストライカー(アントニー・モデスト)が中国に行ってしまった。彼は一人でチームの50パーセントくらいのゴールを決めていましたからね。当然、チームのレベルは下がりました。さらに怪我人も多く、ヘクトア、ビッテンコート、リッセが離脱しました。その中で大迫は結構、良いパフォーマンスを見せていた。少しずつ強くなりました。FWだけじゃなく、セカンドストライカーもやりながら。でも、チーム全体のパフォーマンスレベルはだいぶ下がった。ブンデスリーガで苦戦してナーバスになって、ヨーロッパでもダメでした」
※第3回に続く
(この記事は2018年5月25日に発行された『サッカー批評89』(双葉社)に掲載されたものです)