■新監督はボール保持率にこだわることなく
前監督のもとでは1トップで起用されることもあったマテウス・ジェズスだが、高木監督は2シャドーの一角に置いている。これにより、ゴールに背を向けたプレーが減った。フアンマが最前線で起点となる役割を引き受けることで、マテウス・ジェズスが相手ゴールに近いエリアで前を向いてプレーする機会が増えているのだ。
さらには、188センチのフアンマがゴール前に詰めることで、相手の注意が分散する。クロスボールに対してフアンマがニアサイドへ走り込めば、相手GKとDFはまずそちらへ注意を払う。その背後で、マテウス・ジェズスがフリーになることができる。山形戦であげたヘディングシュートは、まさにそういった形から生まれた。
新監督就任に伴って、戦術的な変化も読み取れる。
前監督のもとではパス本数やボール支配率がリーグトップを争う数字だったが、高木監督はボール保持にそこまでこだわっていない。最前線のフアンマへシンプルにボールを当てたり、澤田の背後への抜け出しを生かしたりしている。
両サイドの連携もいい。左サイドは増山朝陽と澤田、右サイドは米田とマテウス・ジェズスが、ダブルボランチやフアンマとも連携して効果的な崩しをはかっているのだ。3-4-2-1のシステムで、ピッチの幅を有効に使うことができている。