
■苦しむJ1昇格候補が激突!
【J2リーグ第12節 4月29日 14時03分キックオフ 札幌 2ー2 長崎 大和ハウス プレミストドーム】
痛み分け、という表現が当てはまる。
J2リーグは4月29日に第12節が行なわれ、10位のV・ファーレン長崎と16位の北海道コンサドーレ札幌が対戦した。
首位のジェフユナイテッド千葉、2位のRB大宮アルディージャ、3位のFC今治、4位のベガルタ仙台らの試合をさしおいて、10位対16位のカードを取り上げるのはもちろん理由がある。
J1昇格候補にあげられながら、どちらも苦しいシーズン序盤を過ごしているからだ。
岩政大樹監督が指揮する札幌は、開幕4連敗を喫した。その後も4勝3敗と波に乗れず、ここまで4勝7敗である。複数得点は3試合にとどまり、失点18はリーグワースト4位だ。結果が出ていないから当然なのだが、攻守がうまく噛み合わっていない。
長崎は6節まで4勝2分と、まずまずのスタートを切った。ところが、7節から3連敗を喫し、5試合連続で勝利から遠ざかっている(1分4敗)。
20得点は首位の千葉に次いでリーグ単独2位だが、20失点も2番目に多い。下平隆宏監督はスタメンの入れ替えなどでテコ入れをはかっているが、トンネルは意外なほど長い。J1のヴィッセル神戸から加入した元日本代表MF山口蛍が、ケガで7節から離脱しているのも響いている。
ホームの札幌は、相手のビルドアップに対して前線からプレスをかけていく。4-4-2の2トップが規制をかけ、中盤とDFラインも連動して相手を狭いスペースへ追い込んでいく。
一方の長崎は、守備時は4-2-1-3から4-4-2へ可変してミドルブロックを敷く。先に決定機をつかんだのは長崎で、34分に右サイドの崩しからFWフアンマ・デルガドの右足シュートが相手GKを鋭く襲った。この一撃をきっかけに攻撃のギアを上げると、38分に札幌のゴールをこじ開ける。