【川崎の元分析官・二階堂悠氏が語る「FC東京vs湘南」(2)】FC東京の前線3人が仕掛けた「走らせて、下げる」動き出しとは……後方の選手は外したうえで一つ奥を見る攻撃もの画像
FC東京と湘南ベルマーレの試合で仲川輝人の動きが輝いていた 撮影:中地拓也

 2024年シーズンまでの8年間にわたって川崎フロンターレで分析コーチを務めた二階堂悠氏。国内7冠に貢献した二階堂氏が2025年J1リーグ第5節のFC東京と湘南ベルマーレとの試合について語った。

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 J1リーグ第5節を無敗で迎えた湘南ベルマーレが敵地に乗り込んで挑んだのは、FC東京。ここまで3ゴールの鈴木章斗と2ゴールの福田翔生の2トップを武器にチャンスを伺おうとしたが、ホームチームが前半から湘南にリズムを掴ませない。
「守備では湘南の鈴木章斗と福田翔生が縦関係になって、鈴木章斗が東京の近い方のボランチを見て、東京のCB岡哲平や土肥幹太には湘南の平岡大陽と小野瀬康介が出たりとか、相手の3枚に対してアグレッシブに前から行こうとする守備はしていたんですけど、そこで東京はむやみに蹴らずに繋ぐことによって相手をズラして、外していました」
 3-4-2-1の東京と3-1-4-2の湘南の対戦で枚数的には合う中で、東京が外したうえでつなぐ意識も見えていた。
「東京はただ背後に大きく蹴るのではなくて、できれば前を向くとか、狭い場面でもつなごうとしたりとか、松橋力蔵監督の下で新たに取り組んでいることが、試合ごとに出てきている印象はあります。CBの土肥幹太や岡哲平は特にそうですよね。
 また、この試合では湘南のアンカー奥野耕平の周りを使っていましたし、手前の相手を外したうえで一つ奥のスペースも見ていたのが印象でした」

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