【長谷部・川崎をけん引する両サイド。浦項戦で見せたもの、さらに見せるものとは(3)】ピッチ状況で近い連携が困難も、マルシーニョと三浦颯太が見せた強みを生かしつつの脅威。右とは違った“ほぼ固定”のチーム作りの画像
川崎フロンターレの左サイドはマルシーニョと三浦颯太のコンビが継続していた 撮影:中地拓也
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「左サイドは、去年と違ったバリエーションを出せる」

 川崎フロンターレと浦項スティーラースとのACLE第7節を翌日に控えた2月10日、三浦颯太はこう話して自信を見せていた。

 沖縄キャンプから左サイドの主力はマルシーニョと三浦の組み合わせだった。右サイドに佐々木旭や伊藤達哉という、本職ではない2人を並べていたのとは違ってほぼ固定でチーム作りを進めてきた。“ほぼ”と言うのは、マルシーニョの右サイド起用を場面的に試していたから。
 ただしそれも試合の流れの中での限定的なもので、長谷部茂利監督の中で「軸」は決まっていた。
 浦項戦でも、先発したのはこの2人。個の力で突破できる選手を縦に並べて見せた。
 ホームチームに退場者が出るまでに、つまりは11人対11人の状況で、2人が連携しながらうまく攻めることができた場面はあまりなかった。前半6分、そして同11分と、中央にマルシーニョが入っていき、外にいる三浦を使おうとした場面はいずれもボールが届かず相手に回収されている。
 ピッチコンディションゆえに「スピードに乗らないような攻撃」を意識していたこともその要因にあったかもしれない。
 しかし、マルシーニョが中に入れば、三浦は必ず大外で幅を取っていた。これは、トレーニングマッチでも繰り返し見られたことで、2人の関係はコミュニケーションがしっかりと取られたものだった。

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