■昇格候補の重圧を跳ねのけられるかがカギに
昨シーズンの長崎は、J2リーグ最多の74ゴールを叩き出した。フアンマが10得点、エジガルが15得点を記録し、インサイドハーフと最前線中央で起用されたM・ジェズスがチームトップの18ゴールをマークした。右ウイングが主戦場のM・ギリェルメも12得点をあげ、外国人カルテットで驚異の55ゴール(!)を叩き出している。
彼らが揃って契約を更新した以上、前線の補強は最小限でOKだ。実際にアタッカー陣の新加入は、FW山崎凌吾に限られる。セレッソ大阪から加入した187センチのサイズを持つ32歳は、途中交代のカードとして使われることになりそうだ。
補強充実度:A
今オフ最大と言っていい移籍劇で、MF山口蛍が加入。個の力を持った外国籍選手を残留させ、CBエドゥアルド、左ウイングのエメルソンもスカッドに加えた。GK後藤雅明、MF山口の獲得でセンターラインに芯が通り、攻撃的なポジションに実績十分の外国籍選手が並ぶ。少しぐらいケガ人が出ても、戦力を落とすことなく戦うことができるだろう。
昇格可能性:A
保有戦力から判断すれば、「A」評価に迷いはない。昨シーズンは勝点1差で自動昇格を逃した。その一因となったのが、リーグで4番目に多かった引分けだ。「12」あったドローゲームを勝ちゲームへ変えていくために、GK後藤、MF山口らが力を注いでいくだろう。
また、昨シーズンは3節から24節まで22試合負けなしのクラブ記録を樹立したが、24節から30節まで7試合勝利から遠ざかった(4分3敗)。シーズンを通した安定感もポイントになる。
もうひとつ付け足せば、J1昇格の有力候補として迎えるシーズンだけに、プレッシャーに打ち克つメンタリティも問われる。昨シーズンのJ1昇格プレーオフ準決勝で、6位のベガルタ仙台をホームに迎えながら1対4で敗れた原因には、重圧を跳ねのけることができなかったことがあげられる。経験豊富な山口には、精神的な支えになることも期待される。