【独占インタビュー11】「遠距離だった彼女も喜んでくれた」日本代表DF町田浩樹が明かす決勝ゴール後のキスと結婚、「キャリアは短い」サッカー選手のその先の画像
今年6月、人生の伴侶を得た町田浩樹。幸せいっぱいの彼の意外な一面とは…。撮影/渡辺航滋(sony α-1)

 町田浩樹(27)という人間は、どこまでも好奇心旺盛だ。
 日本のサッカー少年たちをヨーロッパに無償派遣するプロジェクト「アンリミテッド・ゴールズ」 への参加を筆頭に、異文化理解や社会貢献、芸術鑑賞まで興味の幅が広い。
 鹿島アントラーズ在籍時代に、早稲田大学の人間科学部に入学(卒業はサン=ジロワーズ移籍後の2023年4月)したことも、そのひとつ。通信教育課程の中で特に興味を持ったのは芸術の授業で、今も時間を見つければベルギーの美術館に足を運ぶと言う。インタビュー最終章では、そんな人間・町田の知られざる「素顔」と「プライベート」、そして大きな話題となった「結婚」に迫った。(インタビュー#11)

■「没頭することも大事ですが…」遠征先では

「ベルギーだとマグリットが有名で」と町田。マグリットとは、ベルギーの画家ルネ・マグリットのこと。現実を超えた異次元の世界を探求したシュルレアリスム(超現実主義)の大家として知られる。
 マグリットはポップアートやコンセプチュアル・アートに大きな影響を与えており、英国のロックバンド、ビートルズはマグリットの「青りんご」の絵画に影響を受けた。
 ポール・マッカートニーがこの青りんごの絵画を所有していたこともあり、レコードレーベル「アップル・レコード」のトレードマークにしたのは有名な話だ。町田は、ベルギーのブリュッセル王宮地区にあるマグリット美術館も訪れているという。
 それだけではない。欧州の文化にも興味を寄せる。

 欧州リーグやカンファレンスリーグでベルギー国外に出たときは、時間を見つけて街並みや文化に触れるようにしている。そうしたことが、自分の人生に彩りを与えると信じている。
「街並みを見たり、文化に触れたりするのが楽しいです。ヨーロッパは国と国の距離が近いですが、国をまたぐと文化や景色が変わる。そこがすごく面白い。そういった歴史的背景を知ると、人種の根底にあるルーツやパーソナリティーを知ることができる。
 たとえば、ベルギーのディナンという街。ベルギーは戦場になった場所でもあるので、中世の城塞があったりして。こうした歴史的背景に興味があります」
 いろいろな分野に幅広く興味を持っていきたい、と考えているという。
「サッカー選手としてのキャリアは短い。その短いキャリアに没頭することも大事ですが、欧州の選手はキャリアと並行して、いろいろなことをやっている。欧州では、セカンドキャリアのことを考えている選手が多いですね。そこは日本の選手と違うところかなと」

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