サッカー日本代表で歴代最多となる81試合でキャプテンを務めた、ブンデスリーガ1部フランクフルトに所属する長谷部誠(40)が、22年の長きにわたるプロ生活に終止符を打った。
今シーズン最終節、ホームで開催されるライプチヒ戦で、ユニフォームを脱ぐとあって、日本からもファンや報道陣が、不世出のリーダーの現役最後の姿を目に焼きつけようと集まった。ただ、最終節の前から「不吉な予兆」はあった。
リーグ戦4戦「出番なし」最終節での勝ち点1が条件
「長谷部は、直近のリーグ戦4試合で出番なし。前節のボルシアMG戦は、日本代表DFの板倉滉や期待の大型FW福田師王が所属しているチームが相手ということで、日本人対決が期待されました。しかし、長谷部はベンチ入りしたものの、ピッチに立ったのは練習のときだけだったんです。
フランクフルトは、今季のブンデスリーガで6位。ボルシアMG戦に勝てば、来季のUEFAヨーロッパリーグ(EL)出場権が得られたのですが、出場権は、ホームでの最終節ライプツィヒ戦に持ち越されてしまった。
そのため、引退が決まっているキャプテンの元ドイツ代表セバスティアン・ローデと長谷部の最終節の出場は、前半のうちに大きな点差がつくなどして、絶対に勝ち点1をものにできるという保証がない限り、早いタイミングでの出場は絶望的になってしまったんです」(フランクフルト関係者)
と、前節のボルシアMG戦後に書いていた(5月13日公開『サッカー批評Web』ボルシアMG板倉滉との新旧「日本代表」対決に期待も今季引退【フランクフルト長谷部誠】「ピッチでの雄姿」と「最終節の出場」参照)のだが、不吉な予想は的中してしまう。
なんとしても勝ち点1を得なければならない試合だったのにもかかわらず、ライプツィヒが2点を先行する苦しい展開。長谷部とローデがピッチに立つことができたのは、フランクフルトが2-2に追いついて勝ち点1を得て、取り返される危険のほとんどない、後半ロスタイム11分のことだった。