もったいない「後半の失点」課題は守備にある

 87分、左サイドからの舞行龍ジェームズのクロスを、長倉がヘディングシュートを決めて、新潟が2点目をあげる。
 舞行龍のクロスがよかったことを最初にあげなければならないだろう。浦和はDFの人数がそろっていた。さらに長倉は、マークする小泉佳穂の前にいったん出るフリをして、背後に回ってフリーになっている。小泉は、手で長倉が近くにいることを確認していたのだが、長倉がニアにいくフリをして裏にいった。
 長倉のこの動きによって、小泉の視界から長倉が消えた。長倉の動き出しがとてもうまい。浦和のDF陣は、新潟の選手の背後に立って守備をしている。ボールとマークする相手を同一視野に入るポジショニングをしていた。そのため、小泉だけ相手の前に立たされる。結果、小泉は「頭を抱えて」自分がマークを失ったことを悔いることになった。
 アディショナルタイム11分。エカニット・パンヤがペナルティエリアに入ってボールを受けた際、遠藤凌が足を出して引っ掛けてしまい、浦和にPKを与える。ペナルティエリア内には浦和の選手が誰もいなかったので、無理に足を出す必要はない。反射的に出てしまったのだろうが、サンタナがPKを決めて試合は終わった。
 4-2で浦和が勝利したのだが、後半の失点はもったいない。選手の疲れもあっただろうが、監督もそれを見越して選手交代をしていたので、失点はなんとしても防ぎたい。 
 攻撃に関しては形になりはじめている。課題は守備にあって、この試合の最後のほうに「5-3-2」の最終ラインを5バックにして、守備を固めた浦和。思い切って、勝っている試合では、もっと早くに5バックにして守備の意識づけを促してもいいのかもしれない。
 今週中に行われる京都戦と磐田戦では、監督が掲げる攻撃ができるのかと、守備の意識をどこまで高められるのかに注目したい。

  1. 1
  2. 2
  3. 3