シーズン前目標「J1昇格」から危機的な状況「残留争い」の荒波へ【崖っぷち「水戸ホーリーホック」の救世主を探せ】(1)の画像
現在、17位の水戸。シーズン前目標「J1昇格」には難しい位置にいるが…。撮影/重田航

 4月27日に行われた明治安田J2リーグの対藤枝MYFC戦を2-3で落とし、残留争いの荒波に飲み込まれた水戸ホーリーホック。この危機的な状況を打開するためには、どうすればいいのか。サッカージャーナリストの川本梅花が、藤枝MYFC戦で存在感を発揮した「流浪のアタッカー」への試合後のインタビューを基に徹底分析。水戸ホーリーホックの現在のチーム状況と、クラブの未来を担う「救世主」の存在を吟味する!

停滞したチームに風を吹き込む「監督交代」

 水 戸ホーリーホック(以後、水戸と記す)は危機的な状況にある。ご存じの通り、4月27日に行われた明治安田J2リーグの対藤枝MYFC(以後、藤枝と記す)戦を2-3で落としたことから、17位の位置は変わらないものの、勝ち点11に徳島ヴォルティスと藤枝の3チームが並ぶ、荒波の中に投げ込まれた。水戸の上にいる3チームとの差は勝ち点1しかなく、14位のロアッソ熊本を含めた残留争いに飲み込まれている。

 この荒波から抜け出す方法があるとすれば、それには2つのことが考えられる。ひとつ目の方法は監督の交代だろう。停滞したチームに風を吹き込むには、選手の意識を変えていく必要がある。そのためには、ひとつのやり方として監督交代はそれなりの特効薬になるだろう。
 何事にもメリットもあればデメリットもある。監督が変われば、選手起用の選択も違ってくるし、戦い方にも手が加えられるだろう。ただし、劇薬すぎて逆に効果がすぐにあらわれないかもしれないし、即効性があるかもしれない。選択肢の一つとして準備する必要はあるだろう。
 もう一つの方法としては、「救世主」の出現を期待することである。それには、シーズン途中から加入させた新しい選手とか、チームに埋もれていた選手の覚醒とか、まったく「希望的願望」に近いものなのだが、そうした選手が出現しない限り、目標には届かない。水戸のシーズン前の目標は、「J1昇格」だったのだから、それに近づくためにも何かを変えなくてはならないのは誰の目にも明らかなことだ。

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