【9年ぶり勝利――鹿島が川崎に勝利した意味 (2)】MOM鈴木優磨が「どうしても人で解決してしまう部分がある」と語るからこそ求める、さらなる高み。「俺らからすると中断はデカい」の画像
鹿島アントラーズの鈴木優磨 撮影:中地拓也

 川崎フロンターレを2-1で破り、今季2勝目を挙げ、順位も4位と上位争いに踏み止まった鹿島アントラーズ。その立役者の1人がマン・オブ・ザ・マッチに輝いた鈴木優磨だった。彼が後半5分に叩き出した決勝点は、川崎への苦手意識を払拭するうえで、非常に大きな意味があったと言っていい。

「川崎さんもいろんな状況があると思いますけど、どんな状況だろうが勝てたことが非常に大きい。川崎さんに限らず、町田に負けて連敗しなかったっていうのはデカいなと思います」と顔面骨折から完全復活したエースは力強くコメントした。

 彼自身のシュートは逆転につながったゴールの1本だけ。それでも前半から何本もチャンスに反応しており、「あと一歩」という好機は少なくなかった。

「前半から『最後の質さえ合えば』っていうシーンが結構あったので、僕自身も後半、必ず来るって信じていた。今日もゴール前で我慢した部分が結構、あったんで、本当、運があったかもしれないですけど、つねにゴールまで準備してるっていうのが自分のスタイル。(点が入って)よかったかなと思います」と本人も待望の今季初ゴールが生まれ、自信を深めたに違いない。

 これまではチャヴリッチと2トップを形成することも多かったが、今回は彼が左サイドに移り、名古新太郎とタテ関係でプレー。新たな関係性を築けたことも収穫だった。

「彼自身も欧州ではここまでFWで守備を大きく求められることがあんまりなかったと思う。日本のFWの守備の多さには苦戦してるっていうのは本人も言っていたので、監督の判断で左になった。左に行くことでより速さや強さを出せるし、相手も嫌がるんじゃないかと思います」と鈴木優磨もチャヴリッチのポジション変更効果を前向きに評していたが、新たな関係性の一端が見えたことも、川崎戦の大きな収穫だったのではないか。

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