「久保建英を悩ませる欧州サッカーとの違い」「ケガ明け三笘薫の起用はラスト10分」【アジアカップ「波乱のグループステージ分析」サッカー日本代表「決勝トーナメント攻略」の激論】(6)の画像
ピッチへの復帰が待たれる三笘薫。撮影/渡辺航滋(Sony α1使用)

 アジアカップはグループステージを終了し、決勝トーナメントの開始を待っている。サッカー日本代表はグループGを2位通過。連勝が10で止まった理由をいかに消化し、この先を勝ち進む力へと変えていくべきなのか。ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が徹底的に語り合った。

■けん引役になるべき選手

――今大会、もっと発奮してほしいキープレイヤーは誰になりますか。

大住「久保建英に、本当の力を発揮してほしいよね。久保がパスを出せずドツボにはまらないように周りには動いてほしいし、久保自身にもうまくさばいてほしい。ただし、この大会ではヨーロッパのサッカーと比べて、相手の踏み込み方の違いがあるとも感じるんだ。ヨーロッパの選手ならば、取れそうもないと思った場面では踏み込んでこないんだけど、これまで対戦したチームの選手は、そういう考え方をしないで踏み込んでくる感じがあった。しかも、相手がプレーした後はヨーロッパの選手ならふっと力を抜くはずなのに、力を緩めずにガツンと当たってくるチームばかりで、ファウルも取られない。そういうやりにくさも感じているかもしれない。でも、そういうことにも慣れないといけないし、ワールドカップ予選に向けて良いシミュレーションだと思って、そんな相手でもいなす方法を見つけ出してほしい。彼なら自分で解決策を見出すよ」

後藤「チーム全体でうまくいっていないということもあるけど、久保はここまで、中盤でボールをこねて取られることも結構ある。低い位置で奪われると怖いから、下がったらシンプルにはたいてほしい。前線なら取られても大丈夫だし、ファウルを受けたらチャンスになるからいいけど」

大住「本当にワールドカップで上位に行こうと思ったら、久保が攻撃を引っ張って、周りがどんどん良いところに走ってパスを受けて、という感じにならないといけないよね。本当に頭が良い選手で、どんどんプレーを調整する力があると思うので、この大会でもすごく期待している」

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