さて、8月17日の準決勝の日のことです。僕は、20時からエスタディオ・モヌメンタルで行われるアルゼンチン対ブラジルの好カードを見に行くつもりでしたが、ホテルの部屋のテレビで17時キックオフのガーナ対オマーン戦を途中まで見てからスタジアムに向かおうと思っていたのです。さあ、キックオフ。
ところが、レフェリーのホイッスルが鳴ったその瞬間、テレビの画面が消えてしまいました。どうやら停電のようです。仕方ありませんので、スタジアムに向けて出発することにしました。ところが、ホテルのエレベーターも停電で動きません。
その時は、たしか20階くらいの部屋に泊まっていたのですが、階段で下りるしかありません。階段も停電で真っ暗だったんですが、ちゃんとロウソクが置いてありました。なんて、手回しが良いのでしょう!
ロビーまで下りて聞いてみると、これは計画停電なんだそうです。
当時、エクアドルの電気はほとんどが水力発電に頼っていて、その大部分がグアヤキルから東に150キロほどの所にあるパウテ川のダムに依存しているんだそうです。そして、そのパウテ川の渇水のせいで電力が不足。全土で計画停電をしており、1日24時間のうち8時間は停電するということで、たしかにホテルの入口に「本日の停電時間」という案内が書いてありました。
そして、実際、正確に17時きっかりに停電になったというわけです。
エクアドル人なら、誰でも知っている常識なのでしょう。しかし、こちらは外国人旅行者なのですから、チェックインの時に教えてくれてもよさそうなものだと思うのですが……。
調べてみたら、キトでもやはり計画停電は行われていたらしいのですが、キトで泊まっていたホテルでは自家発電装置が稼働していたので停電に気が付かなかったということのようです。