ただ、関口、道渕、ゲデス、西村拓真と、仙台の前線には“攻撃のクオリティ”を持った選手がこんなにもいることは、絶対的な強みである。シュート数こそ2本だったが、後半も仙台は果敢に挑んだ。失点は、今後の状況整理やけが人が相次いでいることを考えれば、改善されることだろう。

 

 大事なのは、この「1-3の横浜M戦」を続けることである。戦う姿勢を保ち、前への姿勢を継続することである。

 

 横浜Mに負けたことで、仙台の未勝利数は8試合に伸びた。しかも次節C大阪戦は、横浜Mとは違って、スペースをそう簡単には空けないチームである。そのため、横浜M戦以上に苦戦する可能性がある。それでも、前傾姿勢は続ける必要がある。

 

 過去、仙台は19戦未勝利を経験している(2003年)。あのとき、清水秀彦監督の解任とチーム内不和、一過性の3トップ、多すぎるケガ人、浦和戦の大敗など、先が見えなかった。

 

 久しぶりの勝利を掴んだG大阪戦も、シュート数が2対25と褒められた内容ではなかった。そのG大阪戦以降の勝利は京都戦のみ。内容の改善が見られないまま、2ndステージ第14節の横浜M戦での敗戦、最終節・大分戦での降格と、今でもあの苦闘は多くのサポーターの胸に焼き付いているはずだ。繰り返してはいけないのは、未勝利数ではなく、先行きの不透明さだ。

 

 だからこそ仙台は今、一つの絵を描く必要がある。一つの負けで方針を転換するのではなく、目指すやり方でブラッシュアップしていくのである。9月23日に日産スタジアムで見せたポジティブな要素を、「1-3」というスコアで無為にしてはいけない。

 

 この「1-3」をやり続ける必要がある。ベガルタ仙台というクラブには、「日本一のサポーター」に支えてもらっている責任があるのだから。

 

PHOTO GALLERY ■【画像】横浜M-仙台の雨中での激闘の写真(1)全19枚中6枚■
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