AFCの再開プランは『絵に描いた餅』か(前編)の画像
神戸のACLはどうなる 写真:西村尚己/アフロスポーツ
過密日程どころではない。アジアサッカー連盟(AFC)が発表したACLの試合スケジュールのことだ。これを実施することは、ほとんど不可能ではないだろうか。

■食い違うFIFAとAFC

 5月のブンデスリーガに続き、6月には、すでにシーズン終了を決定したフランス以外の欧州主要リーグが続々と再開しそうだ。Jリーグもスケジュールが決まり、世界は着実に「サッカー再開」に向け動き始めている。

 そうしたなか、アジアサッカー連盟(AFC)がAFCチャンピオンズリーグ(ACL)とFIFAワールドカップアジア第2次予選をどうするか、方針を発表した。

 ACLは、グループステージの序盤を消化しただけで中断しており、決勝まで数えると残りは99試合にもなる。6月3日に出場国協会との会議で決められたのは、「大会形式は変えず、12月のFIFAクラブワールドカップ(カタール)に間に合うよう、すべての試合を終わらせる」というものだった。

 さらに3日後の6月6日には、ワールドカップ2次予選の残り試合と3次予選(最終予選)の試合日程も発表した。

 5チームずつ8グループに分かれ、各組10節の日程が組まれていた2次予選は昨年までに6節が消化され、残りは4節。予定ではことしの3月と6月に2節ずつ開催される予定だった。しかし新型コロナウイルスの蔓延ですべて延期になった。それを10月と11月に設定されている「国際試合期間」に2節ずつ入れて終了するという。そしてことし9月にスタートする予定だった3次予選(6チーム×2グループ、全10節)を2021年の「国際試合期間(3月、6月、9月、10月、11月に各2試合)」を使って実施する。

 ことし4月、FIFAは3月に続き6月の「国際試合期間」には試合を行わないことを決め、6月から7月にかけて予定されていた欧州と南米の地域選手権(EUROとコパアメリカ)を1年延期することも認めた。

「サッカーの『パンとバター』とも言うべき各国の国内リーグに充分な期間を与えることが必要」

 これがFIFAの基本方針だった。ところが、今回のAFCの決定は、ともに管轄の試合を何とか実施しようというばかりで国内リーグの保護という考え方は見えず、しかも各方面と充分にコミュニケーションを取って調整されたもののようには思えない。

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