遠野大弥の「追加点」を許した準備不足、2連勝が「最下位」脱却のキッカケに?【鹿島戦に続いて3ゴール勝利!横浜F・マリノス「FC町田ゼルビア戦」の意味】(2)の画像
今シーズン3勝目を挙げた横浜F・マリノス。最下位から抜け出すことはできるのか? 撮影/原壮史(Sony α1使用)

 2025年5月31日、FC町田ゼルビア対横浜F・マリノスの試合が町田GIONスタジアムでおこなわれた。試合は3-0で横浜FMが勝利した。町田のフォーメーションは「3-4-2‐1」のスリーバックで、ワントップになる。横浜FMのフォーメーションは「4-4‐2」で、中盤はボックス型を敷いた。 

 記事前半に続いて、試合を詳細に分析するために、試合のダイジェストにしたがって話を進めていく。読者の皆さんは、以下のDAZN公式ハイライトを見てプレーの詳細部分を確認してほしい。https://www.youtube.com/watch?v=zTAfbMU4FNg

 記事後半は、28分の遠野大弥の追加点の場面から見ていこう。

■追加ゴールの原因は「後手後手」の守備

【28分の遠野大弥の追加点の場面】
 町田の最終ラインが、センターライン近くまで上がっている。

 戦術として高いラインを設定しているのだろうが、横浜FMの中盤の選手にプレッシャーがかかっていないのに、こんなに高くラインを上げたら、当然ディフェンダーの背後を狙われて裏にボールを蹴られてしまう。

 ラインを高く上げているとしても、ロングボールを蹴られるかもしれないことを予想して、あらかじめ準備したプレーをしないとならない。

 つまり、プレッシャーがかかっていない横浜FMの選手にボールが渡ったならば、すぐにラインを下げられるように動かないとならないということだ。

 ラインコントロールをするのは真ん中のCBの選手である。

 岡村大八のプレーには、「蹴られたら、すぐにカバーリングに行こう」と準備をしていたようには見えない。後手後手の守備が、結局、遠野をフリーにしてシュートを落ち着いて決められたことにつながっている。

 町田は、アディショナルタイムの93分に、オウンゴールで3点目を献上する。試合全体を通すと、町田の攻撃を凌いだ横浜FMが、数少ないチャンスをものにして勝利を納めた試合であった。

 町田にとっては、チャンスを活かしきれなかった試合であろうし、横浜FMにとっては、下位から抜け出すことができるキッカケになった試合であろう。