「苦しい日程」神戸の得点増は武藤と大迫の体調次第、今後「狙われる」サヴィオを助ける浦和の新トップ下【神戸VS浦和戦で見えた「新戦力の実力」と「今後の課題」】(2)の画像
神戸の「ゴール量産」に欠かせない武藤嘉紀(写真奥)と大迫勇也。一方、浦和の渡邊凌磨(写真前)には「新しい役割」を求めたい。(20240601)撮影/原壮史(Sony α1使用)

 2025年2月15日、ヴィッセル神戸対浦和レッズの試合がノエビアスタジアム神戸で行われた。試合は、0-0の引き分けに終わった。神戸は、武藤嘉紀と大迫勇也、酒井高徳と扇原貴宏をスタメンで起用。浦和は、新加入のダニーロ・ボザとマテウス・サヴィオを出場させる。浦和は、同じく新加入の金子拓郎や松本泰志も頭から使ってきた。その激闘から見えてきた両チームの「現在の状況」から「新戦力の実力」、「今後の課題」まで、試合のハイライトともに分析しよう。後編(2)では、試合後半のいくつかの場面をピックアップしたい。

 試合を詳細に分析するために、試合のダイジェストにしたがって話を進めていく。読者の皆さんは、以下のDAZN公式ハイライトを見てプレーの詳細部分を確認してほしい。https://www.youtube.com/watch?v=s_zjnUNbtDs

■競り合いをも「左右する」上質キック

【80分のサヴィオのコーナーキック】
 マテウス・サヴィオのコーナーキックをマテウス・ホイブラーテンがバックヘッドでボールを流すと、押し込もうとした松本泰志の腕にボールに当たってハンドになってしまった。松本のハンドは仕方がないことだが、サヴィオのキックは素晴らしかった。ニアサイドに速くて強いボールが蹴られ、ホイブラーテンにマークがついていたのだが、サヴィオのキックの質がいいので、相手は競り合いに敗れている。

【87分の左からのクロスを武藤がシュートした場面】
 クロスボールに対して原口元気がヘディングしてクリアしようとするが、空振りして武藤にボールが渡る。武藤のシュートをGK西川周作が弾いてセーブした。
 まず、原口のポジショニングが悪い。同じ場面でホイブラーテンが大迫の背後に立っているように、武藤の背後に原口が立たなければならない。人とボールが同一視野に入る場所にポジショニングをしなければならないのである。もっと言えば、本来ならば、この場所には原口ではなく、萩原拓也がいなければいけない。西川のファインセーブに、浦和が救われたシーンだった。

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