■5月18日/明治安田生命J1第節 川崎フロンターレ ー ヴィッセル神戸(ノエスタ)
劇的なゴールだった。スコアレスで迎えた91分10秒というタイミングで川崎フロンターレが得た右コーナーキック。神戸サポーターに囲まれながらボールをセットしたのは小塚和季だ。85分に投入したばかりの17番は、このチャンスでニアを選択した。そこに走り込んだのが谷口彰悟だった。
谷口の動きに迷いはなかった。山口蛍にマークされながらも、相手守備陣より前に入った。「あの場面は何がなんでも、どうにかしてでも1点が欲しかったので、信じて飛び込んでいきました」という判断が、勝点3をもたらした。
直前には、自身の連携ミスからチャンスを与えて危ない場面も作った。「ミスも出てしまった」と反省したが、「みんなが戻るスピードを意識したり、90分通してなんとかしのいだ」と神戸を完封することができた。チームとして相手にチャンスを与え続けた試合でもあったからこそ、苦しい展開でセットプレーで試合を打破することに、王者としての意味があった。
ロティーナ監督も「先制するチャンスがあった中で、先制していれば試合展開は変わっていたかもしれない」と悔やみながらも、川崎が最後の最後まで保持した集中力に脱帽するしかなかった。