■徳島と千葉は9連戦、他チームは5連戦
J2リーグは4月23、24日開催の第11節から、ゴールデンウイークにかけて5連戦となる。シーズン前半戦のポイントとも言える時期に差し掛かっていくが、J2からルヴァンカップに出場中の徳島ヴォルティスと大分トリニータは別である。この2チームに限っては、4月10日から9連戦(!)に臨んでいるのだ。
週末にルヴァンカップが組まれているため、両チームは20日に第11節を先行で消化した。結果は対照的なものとなっている。
徳島はこれまでのうっ憤を晴らした。いわてグルージャ盛岡をホームに迎えた一戦は、17日の10節から中2日という厳しいスケジュールだった。そのなかで、5対0の大勝を飾ったのだ。
観衆の視線を一身に集めたのは、U-21日本代表FWの藤尾翔太だ。19分に左サイドからのクロスをヘディングで合わせ、自身シーズン3得点目となる先制点を決めると、前半終了間際にはPKキッカーを務めてネットを揺らす。70分にもゴール前のこぼれ球を右足で蹴り込み、電光掲示板に自身の名前を3つ並べる。ハットトリックを達成したのだった。
背番号10を着ける渡井理己にも得点が生まれた。72分、GKホセ・アウレリオ・スアレスのキックからカウンターを仕掛け、ドリブルでゴールへ迫る。時間と空間の余裕がたっぷりとあるなかで、冷静にゴール左スミへ蹴り込んだ。
ダメ押しの5点目を蹴り込んだのは西谷和希だ。75分に途中出場すると、1分後には自身2点目となるゴールを蹴り込んだ。
9連戦の4試合目となったこの日、西谷はリーグ戦11試合目で初めて先発を外れた。2試合連続で先発していた右SB藤田征也も、ベンチスタートとなった。過密日程を考慮したメンバー変更だろう。
一方で、前節に続いて2試合連続スタメンの杉森考起が、鋭い突破でチャンスを作り出した。また、36歳のキャプテン石井秀典が後半途中からピッチに立ち、リーグ戦初出場を果たした。35歳のストライカー佐藤晃大も、途中出場でリーグ戦初出場を記録している。
岩手戦から中2日の23日には、サンフレッチェ広島とのルヴァンカップ第5節が控える。ダニエル・ポヤトス監督は9連戦を「ひとつの挑戦」と位置づけ、「広島には第1節で敗れているので、次は勝ちたい」と意欲を見せる。広島、清水エスパルス、名古屋グランパスとのグループステージは、残り2試合に連勝すればベスト8に進出できる。
いわて戦はJ2リーグで6試合ぶりの勝利となり、通算成績を2勝8分1敗とした。順位は暫定で9位となっている。リーグ戦ホーム初勝利を呼び込んだパリ五輪世代の藤尾は、「ここから勝ち続けて首位を狙っていきたい」と意気込んだ。